【インサイドセールスの効率化】100社アプローチでも無駄なし!成果を倍増させる営業術

一日に100件の電話営業は本当に可能か?
多くの営業担当者がこの疑問を抱くことでしょう。しかし、電話の数をこなすだけでは期待する成果を上げるのは難しいものです。この記事では、効率的かつ成果を重視したアプローチでアポイント獲得率を高めるための方法をご紹介します。

執筆者略歴

株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。

電話営業100件は「可能」なのか?

単純計算では達成可能だが現実は厳しい

1件あたりの通話時間平均5分と仮定すると、100件で約500分(8時間20分)。 理論的には達成可能な数字です。 ただし、これは電話をかけ続けた場合の単純計算にすぎません。

実際には以下の制限が影響します。
・接続率の低さ:ターゲットリストに基づく営業の場合、約30~50%がないと言われています。
・心理的負担:断られることが続くと、担当者のモチベーションが下がります。
・質の低下:架電数を考慮することが優先され、顧客対応の質が低下しがちです。

〈実績データ〉
あるBtoB向けソリューション企業のケースでは、1日100件の電話を目指した場合の実稼働データは以下の通りです。
・接続率:40%(40件が通話成立)
・実質的な意思決定者への到達率:10%(10件)
・商談率:2%(2件)
このデータからも分かるように、制限量を考えるだけでは商談につながる話はほとんどありません。

明確なゴール設定とターゲット企業の選定

営業の現場ではゴールが「電話をかけること」になっているケースが散見されます。 ただし、本来の目的は「正しい相手と商談の機会を作ること」です。
この目的意識が欠けていると、当面100件の電話をこなしても、アポイント獲得にはつながることはありません。

電話営業を開始する前に、ターゲット企業ごとの明確なゴールを設定しましょう。

・短期ゴール: 意思決定者に到達し、次回アプローチの材料を得る。
・中長期ゴール: ニーズを引き出し、商談につながる関係を構築する。

加えて、 BtoB提案型商材 の特性を活かし、 フォロー営業を通じて将来顧客との関係を強化することも重要です。これにより、安心顧客を増やし、営業資産管理の観点からも効率的な営業活動を実現できます。

さらに、具体的なデータとして、ある企業ではターゲット企業に対する戦略的な電話営業の実施により、アポイント獲得率が従来の5%から15%に向上した実績があります。
このように、具体的なデータをもとに戦略を練ることで、効率的かつ成果を重視した営業活動が可能になるのです。

アポイントが取れない理由と具体例

よくある失敗例

失敗例:
営業担当者:「クラウド型会計ソフトのご案内でお電話しました。」
顧客:「興味ないです。」
営業担当者:「そうですか。失礼しました。」(電話を切る)

課題点:顧客を逃すリスク

「興味がない」と言われ即座に電話を終了してしまうことで、以下のような将来のチャンスを逃す可能性があります。

・現在利用中の既存サービスに課題が出たときの提案のチャンス
・新しいニーズの発掘をつかむタイミング
・将来的な大規模案件の発注

成功例: 実際の営業スケジュール

以下は、断られた場合でも次につながる対応をしたケースです。

改善例

営業担当者:「クラウド型会計ソフトのご案内でお電話しました。現在、経理業務でお困りの点はありませんか?」
お客様:「特にないです。」
営業担当者:「そうですか。ちなみに現在はオンプレ型のソフトをご利用されていますか?」
お客様:「はい。」
営業担当者:「承知しました。最近、同業界の◯社様がクラウド型のソフトを導入され、リモートワークに適応するための経費精算効率化に成功しています。活用事例も多数ございますので、課題が生じた際にぜひご相談いただければと思います。」

〈成果〉
この対応により、リモートワーク導入が進んだしばらく後にお客様から再連絡があり、商談化に成功しました。
このように、断られても次につながる質問を踏まえて、全てのターゲット企業に対し「将来顧客」として捉える視点を持つことが重要です。

顧客を見据えたアプローチとは?

「顧客」視点でのリスト活用

ターゲットリストを「将来の契約者候補」と見なし、以下のような行動に変えましょう。

・多角的な視点での営業:ターゲット企業内の他の部署や別プロジェクトを意識する
・競合他社の状況把握:顧客がどのサービスを利用しているかをヒアリング
・長期的なフォロー営業:断られても一定期間後に再アプローチし関係を構築

成果を上げる電話営業の準備と実践

1. 丁寧なリサーチが鍵

「将来のお客様になる」という考えを持つことで、準備にかかる時間は自然と増えるはずです。具体的には以下の調査手順を徹底していくことです。

・業界動向の把握:ターゲット企業が抱える幅広い分野の課題を把握する。
・企業情報:ホームページやニュースリリースで最新状況を確認し、顧客の課題を予測する。
・担当者情報:リンクトインや名刺管理ツールを活用し、意思決定者の役割や関心を確認。

〈実績データ〉
あるインサイドセールスチームでは、事前調査に15分かけた場合の商談化率が約20%向上したと報告されています。
事前の情報が豊富であればあるほど、相手の関心を重視した話題を提供することができます。

ツール活用による効率化

電話営業で得た情報は、システムやデータベースに記録しておきましょう。
営業資産管理システムには、以下のような情報を記録することで、将来的なアプローチの基盤を作ります。

・現在の興味関心レベル:「現在は興味がない」と言われた理由(利用中のサービス、予算不足、タイミングの問題など)
・ヒアリング内容:競合のサービス利用状況と課題、将来的なニーズの可能性
・接触履歴:電話やメールの記録、具体的な会話内容
・次回戦略計画:フォロー営業のタイミングと提案内容の改善案

これにより、同じ企業に再アプローチする際に、スムーズかつ適切な話題で切り出すことが可能となります。

成功事例:将来顧客を見据えたアプローチの効果

【ケーススタディ1:一般競争利用中の企業を将来顧客に】
ある通信機器メーカーでは、「現在利用中のサービスに満足している」という企業に対して、必要なサービスの課題や自社の強みを整理した情報提供を実施しています。その結果、しばらくしてサービスの契約更新時期に合わせて再アプローチし、契約を獲得しました。

ポイント:コンテンツ情報の収集と的確なフォロータイミング

【ケーススタディ2:新規プロジェクトで契約成立】
建設業界向けのBtoB提案型商材を扱う企業では、電話で「今は予算がない」と断られたターゲット企業に対して、定期的に業界ニュースや自社製品の成功事例を共有。社内で新規プロジェクトが始まったタイミングで契約が決まりました。

ポイント:将来を見据えた関係構築と情報提供

具体例:

あるITソリューション企業では、すべての電話営業の履歴をCRMシステムに記録し、定期的にデータを分析しています。これにより、意思決定者への到達率が30%向上しました。

長期的な視点で営業を意識

特にBtoB提案型商材の営業は、成果が出るまでに時間がかかるものです。
電話営業を「将来の投資」と捉えることで、活動の質が格段に変わります。
以下のポイントを実践することで、長期的な信頼を保ちつつアポイント獲得率を向上させましょう。

成功事例:将来顧客へのアプローチ

事例:
ある製造業向けソリューション企業は、ターゲットリストに掲載された企業に対してすぐに契約を求めるのではなく、以下の手法を取り入れました。

・初回電話で最新の課題感をヒアリング。
・審議月後に、ヒアリング内容に基づいた解決案を提案。
・2年間の継続的なフォローアップを経て受注。

成果:この手法により、ターゲット企業全体の商談化率が12%から30%に向上。

まとめ:電話営業を成功に導く5つのポイント

1. 明確なゴール設定:ブロックコンタクトよりも商談化率を重視する。
2. 情報管理・共有を徹底:会話内容、反応、次回アプローチ案を記録し、営業資産として活用。
3. フォロー営業の計画を立てる:断られた後も、最適なタイミングで再アプローチを実施。
4. 営業資産管理システムを活用:データの一元管理で効率的な営業活動を支援。
5. 長期視点での投資意識を持つ:「いつかお客様にする」という意識で行動を続け受注を目指す。

1日100件の電話営業は、技術的には可能です。
しかし、数を追うだけでは成果にはつながりません。
「将来顧客を見据えた丁寧なアプローチ」が成果を生む鍵となります。
ターゲット企業に対する情報の当面と継続的な関係構築を重視し、電話営業を中長期的な戦略の前提として活用することで、営業活動の効率と効果を最大化しましょう。

〈当社の特徴〉
1.アポイント獲得や商談実施への成果報酬型の料金体系
2.60%が1年以上契約する常連クライアント
3.メンバーの半数以上が5年以上の在籍、最長は20年。全員正社員。
4.既存顧客へのアンケートでは「営業品質が高い」「社内教育が徹底されている」との評価

執筆者情報 <プロフィール>

株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。


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