断られなければ、商談は成立する――セールストークの作り方〈インサイドセールス〉

ターゲット企業のリストを作成したら、次はその属性ごとに最適なセールストークを作っていきます。

基本的な流れは、「私たちはこういう商品・サービスをご紹介しています」→「ご担当者様はいらっしゃいますか?」→「この商品・サービスは、お客様のこういった悩みを解決します」→「ご興味ありますか?」といったものです。
電話営業や新規営業では、まず相手に興味を持ってもらい、説明する機会を得ることが最優先。
では、どうすれば担当者との面談の約束を取り付けられるのでしょうか?

営業難易度が高いといわれるBtoB提案型営業でも、しっかり成果を出していけるセールストークの作り方を解説していきますので、一緒に紐解いていきましょう!

〈記事の要約〉
●セールストークは、相手が「イエス」と答え続けるように設計する。
●断り文句には事前に切り返しトークを用意し、対応策を準備しておく。
●受付担当者には「重要な電話かもしれない」と思わせるトークが有効。
●担当者には、第一段階で興味を持ってもらい、第二段階で具体的な提案を行う。
●相手の断る理由をすべて取り除けば、商談成立の可能性は大幅に上がる。

執筆者略歴

株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。

切り返しトークを用意する

どうすれば担当者との面談の約束を取り付けられるのか?
答えはシンプルで、「断られなければいい」のです。

相手が「イエス」と答え続けるようにセールストークを組み立てれば、アポイントは自然と成立します。
「断られる理由は無限にある」と思うかもしれませんが、実際は決まったパターンがあるもの。
それぞれのお断り文句に対する「切り返しトーク」をあらかじめ用意しておけば、断る理由を一つひとつ潰していくことができます。

たとえば、
「担当者が不在」と言われたら、「どなたがご担当されていますか?」と質問をします。
もし「個人情報なのでお答えできません」と返された場合は、「では、何時頃ならいらっしゃいますか?」と切り返してみることもできますね。
すべてのお断り文句に対応できるよう準備を整えておけば、論理的にはほぼ100%アポイントを取ることができはずです。

アポイント獲得率が低い原因を分析すると、
●「担当者がいない」
●「既存業者がいる」
といった定番の断り文句に、そのまま引き下がってしまっているケースが多いものです。
特に新人の営業担当者は、断られた際の対応に慣れていないので「こういう断り文句にはこう返すといいよ」とアドバイスをしてあげるだけでも、アポイント率が2~3%は向上するはずです。

受付用セールストークのコツ

誰に話すかによって、セールストークの作り方は変わってきます。

「セールストークは相手に断らせないように作る」が基本だという話をしましたが、相手の立場によって断る理由が異なります。
営業電話では、会社の代表番号から該当する部署や担当者につないでもらうケースが多いですから、まずは「代表受付で断られないセールストーク」について考えてみたいと思います。
受付は、電話営業において突破しなくてはならない第一関門でもあります。
電話営業がうまくいかない一番の理由は、受付で断られてしまうからだといっても過言ではありません。

受付担当者の役割を理解しよう

受付担当者は、商品やサービスの良し悪しを判断して断っているわけではありません。

彼らにとっては「断ることが仕事」なのです。
会社の代表番号には、じつにさまざまな電話がかかってきます。会社にとって重要な電話から、ひやかし電話やいたずら電話まで玉石混合です。そのなかから、社内に取り次ぐべき電話だけを取り次ぎ、取り次ぐ必要がないと判断した電話について断るのが、受付担当者の仕事なのです。
では、受付担当者に断られないためには、どうすればいいのでしょうか?受付担当者の心理状態を考えると、そのヒントが見えてきます。

受付担当者は、営業電話を振り分ける第一関門。

営業電話がうまくいかない理由の大半は、受付で断られてしまうことにあります。
受付担当者の仕事は、"社内に不要な電話を回さないこと”。とはいえ、大切な取引先や上司が求める情報を遮断してしまうのも避けたいと思っています。

つまり、「この電話は重要かもしれない」と思わせるトークを構築することが、受付突破のカギなのです。
具体的には、「もしかしたら担当部署が探している情報かもしれない」「当社にとって有益な話かもしれない」と思わせる要素を盛り込むのがポイント。
そうすれば、受付担当者が「これは断らないほうがいいかも?」と判断し、担当者につないでもらえる確率が上がります。

担当者用セールストークのコツ

受付を突破し、担当者につながったら、次は商品やサービスの魅力を伝えるフェーズです。担当者は受付とは異なり、単に断るのではなく、購入を検討する立場。しかし、最初の営業電話では「とりあえず断る」という心理が働くことが多いものです。

そのため、担当者用のセールストークは次の二段階に分けて考えると効果的です。
第一段階 ― 最初の壁を突破し、商品説明を聞いてもらうためのトーク。
第二段階 ― 商談をスムーズに進め、検討してもらうためのトーク。

〈1.第一段階〉
よくある断り文句には、「いまは忙しい」「担当者が不在」「既存業者がいる」「最近買ったばかり」など、ある程度決まったパターンがあります。
こうした断り文句に対して適切な切り返しを用意しておけば、次のステップへと進める確率が高まります。

〈2.第二段階〉
第二段階に入ると、担当者の頭のスイッチが切り替わり、商品やサービスについて考えたり検討するモードになります。担当者が購入の可否を判断できるだけの情報を提供しつつ、納得感を高めるセールストークを組み立てていきます。

ここでも、「断られなければ商談成立」という考え方は変わりません。
たとえば、こういった断り方と切り返し文句が考えられます。

お客様:「最近、5万円くらいの安いサービスを導入したから、すぐに切り替えるつもりはない」
営業担当者:「では、弊社の商品に切り替える際の費用はこちらで負担します。それに、いま5万円でお使いのところを、4万8000円でご提供できます。これならご検討いただけませんか?」

相手が断る理由を一つずつ潰していけば、100社にアプローチして100社と契約が成立する、というシナリオも決して夢ではありません。

〈当社の特徴〉
1.アポイント獲得や商談実施への成果報酬型の料金体系
2.60%が1年以上契約する常連クライアント
3.メンバーの半数以上が5年以上の在籍、最長は20年。全員正社員。
4.既存顧客へのアンケートでは「営業品質が高い」「社内教育が徹底されている」との評価

執筆者情報 <プロフィール>

株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。


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