良いモノが売れるようにしたい、これが当社の根本となる理念です。
鈴木:まず当社の事をまだよく知らない方のために、どんな会社なのか?を教えてもらえますか?
内山:ははは、そうですね。
当社は創業22年、営業コンサル会社を経て、営業アウトソーシングを中心にビジネス展開を行っている会社です。
今までに、1,000社の企業様の営業活動をお手伝いしてきました。
まだ「営業代行」「営業アウトソーシング」という事業がない時代に、なぜこの会社を創業したか?と言うと、私は、大学卒業後に東京証券取引所に関わる証券系のシステム開発をしている会社に勤務していたんですね。
特にシステム系や製造系の会社はそうなんですが、高い技術力があっても、営業力となると少々弱い、という企業が多かったんです。
当時勤務していた企業も同様でした。
当時営業担当だった僕は、様々な会社さんとお話をする度に「どうして、こんなにすごい技術を持つ会社なのに、営業に困っているんだろう」と感じては、何かできることはないか‥と考えていました。
「それなら、営業が好きで得意な自分が、営業に困っている企業のために、営業部門をまるごと請負う会社を作ればきっと便利なんじゃないか!」と、半ば妄想しましてですね(笑)
それからなんだかんだで、22年経営し、今は20数名の社員と共に、その当時のそのままの企業理念で事業を進めています。
よい技術や優れたサービスを作るには、時間もかかり、経験も必要です。
それと同様に、営業にも技術があり、時間も経験も必要です。
営業専門の集団を作り、営業技術を磨き、当社がその会社の営業部門になることで、良いモノが売れるようにしたい。
これが当社の根本となる理念です。
大事なことは、「あなたの課題は何ですか?」を聞く姿勢。その業界の知識や経験がなくてもできるんです。
鈴木:当社の得意分野は、特殊な技術を持つ商材やITやコンサルティングのようなカタチのない無形商材を中心に、幅広い商材を扱っていますよね。 業界知識がない、または商材を全く知らなくても営業することができるんでしょうか?
内山:もちろん、できます。
提案型営業において最も重要なことは、100%の商品知識よりも、相手が抱えている課題をしっかり聞いてあげて、更に「それを解決できそう」と感じさせることにあるからです。
営業活動の範囲はとても幅広いのですが、実は、多くのお客様が一番困っているのは「商談の場」なんです。商談の場がなければ、当然その先の受注契約もありませんからね。
なので、商談セッティング(新規アポイント獲得)をよく依頼されます。
もちろん、業界やサービスの基礎知識は勉強して学びますが、それよりも大事なことは、「あなたの課題は何ですか?」を聞く姿勢。
営業担当者のインタビューの能力が、非常に重要なのです。
だから、幅広い業界業種の営業活動のお手伝いをすることができるんですよ。
鈴木:必要なのは業界知識がいかにあるか‥ではなく、先方の課題を引き出すインタビュー力にあるんですね。
内山:そうです。
提案型商材の営業においては、必須とも言える力ですね。
「あなたの課題を聞かせてください」「あなたの課題を解決したいんです!」という気持ちと、「この人に頼んだら解決してくれるかもしれない」という期待感を感じてもらうことです。

幅広い営業スキルが身につきます。
鈴木:営業の教育環境も気になるところですが、当社の教育では、どのようなスキルが身につくのでしょうか?
内山:営業にも色々と種類がありますが、当社は、法人向けの提案型商材を売るという観点で、教育・研修プログラムを設計しているんですね。
この提案型営業には【基礎、印象、説明、共感、提案】5つの性質/素質が必要です。
これらが備わっている営業人材を育てるために、1ヶ月間のアクティブラーニングを行い、クライアントの初回商談を実施できるレベルにまで成長させていきます。
これは、「できる営業を育てる」という教育の話になるので、詳しくはまた別の場所で詳しくお話していきましょうかね笑。
さて、どのようなスキルが身につくか?ですよね。
当社は、いざとなれば自分でやっていける力の一つである、「営業力」、つまり一生物の万能スキルを身につけたい方にはピッタリの会社だと思います。
クライアント企業の抱える営業課題はさまざまです。
商品力はあるのに営業人材が不足しているというケースもあれば、ターゲットが不明だったり、HPや商品説明資料に会社や商品の魅力が反映されていなかったり。
「営業に困っている」といっても、課題は多岐に渡ります。
そして、我々は、その魅力を見ず知らずの企業に知らせていかねばなりません。
商談相手の課題を聞き、最適な提案をしなければいけません。
この幅広い営業課題に対して、解決案を考え、クライアントの営業活動を成功に導かなくてはなりません。
当社は、各専門のチームで解決をしているんですが、クライアント企業から強みを引き出すスキル、それをセールストークとして構成するスキル、最適なターゲット企業を抽出するスキル、新規の企業に電話をして責任者を探し出し興味を持ってもらうスキル、商談相手の課題を解決するスキル、ホームページやWEB広告を使ってニーズのある企業を引きつけるデジタル営業スキル。これらのスキルによって営業課題を解決しているのです。
ですので、当社で営業を学ぶことは、つまり一生物のスキルである「営業力」が身につくことだと思います。
提案型営業ではとても幅広いスキルが必要になりますが、こういった幅広い営業の課題を解決できる企業は、国内では何社もなく、それら企業の中でも最良の品質でサービスを提供していると自負しています。
同時期に、複数社の営業部門の一員となり、幅広い課題を解決していく業務に携われるのは、営業アウトソーシングという業種以外にはないと思います。
ちなみにこの「営業力」は、総務でも、デザイナーでも、広報でも、どんな職種でも持つべき万能スキルだと思っています。
鈴木:営業会社でありながら、売上金額を目標にしていない点がとても興味深いなと思いました。当社唯一の目標は「クライアントからのありがとう」ですよね。これはどういう考えなのでしょうか?
内山:そうですよね、営業会社としては、確かに珍しいかもしれませんね笑
もちろん会社を経営している以上、売上金額は当然考えていきます。
ただ、その基本的な考え方が少し違うんです。
当社は、クライアントさんの営業を支援し、成果に対して報酬を頂いています。
ですので、我々の仕事に満足いただければ長期的なお付き合いや、ご紹介などで自ずと金額が付いてきます。
反対に、ご満足いただけなければ契約終了となり、当然報酬をいただけません。
私たちの役割は、「営業」ではあるものの、その最も大事な役割は、目の前の困っている方の課題を解決することなんです。しかし数字を追ってしまうと、相手スタンスの行動ではなく自分本位の「売りたい」という邪念が出てきてしまうんです。
これは当社の営業の信念から外れた考え方です。
なので、当社が掲げる唯一の目標は「クライアントからのありがとう」に設定しているというわけです。
鈴木:自分たちの仕事の先に、相手の喜びがあると常に考えて行動するということですね。また、喜んでもらえるというのは働く上での大きなモチベーションに繋がりますね! 企業目標に掲げている「ありがとうの声」はどのように運用しているんでしょうか?
内山:実はそこが一番大変だったんですよ。
目に見えない評価をカウントし、更に従業員の給与にどう反映させていくか‥かなり時間をかけて考えました。
当社は営業活動を代行する会社なので、新たな企業との商談が実現したら、喜んでくれますし、それに対して報酬をいただきますので、商談実現→1ポイントとしましょう。と数値化もわかりやすいと思います。
では、お客さんと営業会議を実施したら、何ポイントなのか?
契約が長く続いた場合、これはどうでしょうか?
長く契約が続いていたらお客さんは喜んでいると思うんですが、何ポイントでしょう?
お客さんから、すごく感謝しているという手紙をもらったら何ポイントでしょう?
経理部門は、どうすればお客さんを喜ばせることができるのか?…とか…
それらを、全て定義し、数値化し、全員分毎月集計して給与に反映するシステムを構築しなきゃならない。
鈴木:なるほど…目に見えない評価を定義して数値化する。確かに大変ですよね。喜びの声をカウントすることで、どのような効果がありましたか?
内山:導入するまではとても苦労しましたが、フルタイムであろうが週3であろうが、同一の基準で評価して賃金を決定することができるようになりますし、当社はこんな事を従業員のみなさんに望んでいると、方向を示すにも最適な取り組みでした。
全社が「クライアントからのありがとう」に向かうわけですからね。
この賃金体系があるからこそ、多様な働き方を実現することができますし、階層や役職もなくすことができる。
どこで働いても、どのように働いても良いって事になりますよね。
なので、賃金体系を含め、複数の制度を駆使していくことで、自由に働いて、自由に生きることができる。
当社でいうところの「自由に働き、自由に生きる。」が実現するってことになりますね。

フルリモートワークで、これまでになかった時間が生まれたんです。
鈴木:エグゼクティブは働きやすい環境が作られ続けていて、様々な取り組みがありますが、2020年夏に全社員がフルリモートワークになったことは大きな改革でした。
内山:恐らく一番大きな変化は、社員のみんなの時間が確実に増えたことです。
これまで通勤にかかっていた片道40分×2と前後の準備時間がなくなったことは、社員にとって大きな変化だと思います。
生産性やコミュニケーションの観点から、リモートワークから出社に戻る企業も増えていますが、当社はリモートワーク・出社どちらかに限定するのではなく、双方の良いところを融合させた組織でいたいと考えています。
大切なのは生産性を上げること云々ではありません。
当社には「困っている人がいたら助ける」という文化が土台にあります。
鈴木:リモートワークで個々の作業が増えましたが、その中で、社内でのフォローや助け合いの環境はどのように作られているのでしょうか?
内山:そもそも、当社には「困っている人がいたら助ける」という文化が土台にあります。ですので、仕事がリモートになったとしても、お互いに助け合う環境は変わっていません。
例えば、自分自身の気持ちが凹んでしまったとき、落ち込んでいる仲間がいたとき、うちではビジネスチャットツールを使って声を掛け合い、その中で嬉しいことや困っていることも共有しながら「一声かけあう」ことを日々行なっているので、「助け合おう」と意識せずとも、当たり前なこととして日常にあります。
特に、当社は女性社員が多いので、これまでも家族の事や子供の事などで突発的な欠勤や遅刻・早退が頻繁に起きていました。それは誰にでも起きることですし、「今から早退します」ということを想定して会社が作られていますので、働き方がリモートワークになったとしても、それは変わりません。
助け合いが大切、というよりも、助け合う文化が大切なんだと思っています。

みんなには自分の得意なことをもっと得意にしてもらいたい。
鈴木:どんな人と働いていきたいですか?
内山:お客様を喜ばせたいと思える人、成長したいと考えている人と一緒に仕事したいと思っています。
現時点でのスキルよりも、一生懸命になれる人と一緒に成長していくのは僕自身としては楽しいし、好きですね。
エグゼに出会ったことで成長してくれたら嬉しいですもん。
鈴木:最後に、社員に対してどんな風に成長して欲しいと思っていますか?
内山:そうですね。会社としてというより、僕個人の思いにはなりますが。僕たちの人生は、突然何かが起こらない限り長く続くと思うんです。その最期の時に、「ああ、私の人生満足したな」と思う人生を歩んで欲しいなと思っています。
みんなにはそこを目指してもらいたいです。
僕は、この会社を通じて、そこに行きつくまでの色々なことを教えてあげられたらなと。 なので、そこにたどり着くためにも、みんなには自分の得意なことをもっと得意にしてもらいたい。
困っている人にその得意なことで「いや〜本当にあなたがいてくれてよかった」と言ってもらえたら、人って幸せを感じると思うので、そういう所を目指して生きていってもらいたいなと思っています。
鈴木:私自身、「君は○○が得意だね!」と言われて、やってみたら「あ!これ好きかも」「これが私の得意なことなんだ!」と認識する場面が何度かありました。自分の強みを明確に認識できると成長スピードもぐっと変わってきますよね。
内山:そうですね。みんな、自分の強みを知っているようで知らなかったり。認識する力が意外と弱いんですよ。
僕から見たら、素晴らしいものをたくさん持っているのに、どうしてか「得意なんてそんな。まだまだです」って奥ゆかしくて。
謙遜する必要も他者と比較する必要も全くないので、みんなにはもっと自分の得意を認識して、その強みをどんどん発揮していって欲しい。
未経験だとしても、経験することで開花することも多々あります。
当社は、新しいことへの挑戦を全面的に応援しているので、入社間もない新人さんも「〇〇に挑戦したいです!」って言ってくれるんですが、明確な目標を持つと、実現に向かって努力するので、みんな、成長への熱意がとにかくすごいんです。
先輩たちの背中を追って成長する姿も、後輩の成長を受けて更にレベルアップしていく姿も、本当に頼もしい仲間たちだなって思います。
なので、やってみたいことはどんどん言葉にするように伝えています。
それを活かせる場面に出会ったら自然と伸ばそうと努力するんですよね。人って。
言う事は誰にも迷惑がかからないので、どんどん言いましょう!
得意なことを認識できると、嬉しいこと、楽しいことの上でどんどん成長していけるんです。
自分の好きなこと、楽しくできること、相手から喜ばれたことは忘れないでください。
僕たちは営業代行会社で営業が一番得意な部分なので、その得意を使って、「良いモノが売れる世界に。」をつくっています。
PRが苦手な会社さんに対して、日々営業のお手伝いをしているのだけれども、本当のところを言うと、お客様さえ喜んでくれれば何でもいいと思っているんです。
